子育てが終盤に差し掛かり、またお母さんから私個人に戻る日が近づいて来ると思った私は、やりたいことリストを作り、にやにやしながら今後の人生プランの計画を練っていた。
その前に一つ。同じような境遇の方には分かっていただけると思いますが、収入の少ない主婦は、うちから出て何かするのにたくさん壁があるのです。元々私の生命線である旦那様は、私に専業主婦を望んでおられて、おとなしくお裁縫やお菓子作りをして過ごしていて欲しかったのです。そんな生活も大好きではあったのですが、15年もやっていればそろそろ違うことがしたくなります。
子育ての大変な時期が終わり、私が体力を持て余し動物園の白熊のようになると、手に負えない、と思ったのでしょう。「家事を一通りやるのであれば好きにしていい」と言ってくれました。
家族の承認も得て、晴れて自分時間を作れる様になった私は、広報とよたの公募から「豊田山岳会」を見つけだしたのです。"
窓口である、人の良さそうな磯部さんの声に安心して集会に見学に行ったのですが、、、
第一印象は「思ってたのと違う!」でした。
広報とよたに載っているのだから、初心者でも大歓迎の、おじいさんおばあさんがほのぼのと猿投山や鳳来山に登っているサークルだと思っていたのですが、そこには今まで交流したことないタイプの強そうな方々ばかり。全員が何らかのプロの雰囲気。しかも何やら聞いたことのない専門用語が飛び交い、完全に場違い。
しかし!気後れよりも、好奇心の方がダントツに勝ってしまった。また幸い隣に座っていた女性の羽根田さんに、自分も初めは不安があったこと、でも皆さん親切で色々教えてくれること、何とかなること等、励ましをいただき、次週入会することに。"
入会してからは今思い返しても恥ずかしい事ばかり!
右も左も分からない、山の名前も猿投山、鳳来山、富士山くらいしか知らない超初心者の私に皆さん根気よく親切に教えてくださったのですが、その後入会してくる方々に私ほどの初心者はおらず、今思うとさぞ扱いが難儀であっただろうと察し、深く感謝しております。"
今は、山で遊ぶということは登るだけではなく、岩登りを楽しむ人、山スキーを楽しむ人、トレイルランを楽しむ人のように、楽しみ方は人それぞれ。危険が伴う遊びは、それなりに勉強、トレーニングがいること。山頂で美味しいものが食べたければ事前のシュミレーション、準備、そして当日重たい荷物を運ぶこと(素麺食べるのがあんなに大変とは!)。まだ失敗することも多いですが、上手く出来た時の嬉しさ。
そして嬉しい誤算。今まで生きてきて散々「体力だけ無駄にある鈍くさいやつ」というのが周りから私への評価だったのですが、意外にも山登りに必要な身体能力は備わっていたこと。
など色々分かって来ました。
自分のことがよく分かってなかった頃はのんびりハイキングみたいな登山をしようと思ってたのに、今一番面白いのは、疲れるまでただひたすら登ること歩くこと、山ご飯を作ること、そして沢登り!"
大袈裟ではなく、山岳会に入ってから人生変わりました。
何かにつけて自信がなかったのですが、やってみて出来て、先輩に褒められて自信をつけ、初心者の友達を山に連れて行き感謝され、知らない人に話しかけられ「豊田山岳会に所属してます」と答えると「すごい!」と言われ改めて先輩たちの偉大さを感じ、そんな方々の仲間に入れてもらえている幸運をかみしめています。
↑先輩方に初めて連れて行ってもらった百名山、燕岳。感激。
また、山行の行き帰りの雑談などで、先輩方の面白い話が聞けるのも楽しみです。それぞれ皆さん素敵な濃い人生を歩んでおられて「あんな風に歳を重ねていきたいな」と学びも多いです。
今後の目標としては、まだやっていない憧れの山頂テント泊。満天の星空と雲海の朝を体験すること。
まだ家族に一応必要とされているので、一泊するのも事前準備などが大変でなかなか実現するのは難しいのですが、普段手を抜かず家事をして、気持ちよく送り出してもらえるよう頑張ります。
誰かが言ってましたが、山登りするのに一番大切なのは、装備より体調より天気より、『嫁の機嫌』だそうで。。うちの場合『家族の心情』になりますが、感謝の気持ちを忘れずに出来る範囲で程々にチャレンジしていきたいです。
↑初めて買った山装備。思い出深いお気に入りの山靴です。ボロボロだなー笑。
↑生きた歴史森田さんと♡勉強になります。